理想的な子育て環境を与えてくれた都城に格闘技を普及させるのが目標
神奈川出身の隼さんと都城出身の藍さんが出会ったのは東京のボクシングジム。身体を動かすことが大好きなふたりは意気投合し、結婚しましたが、長女・藤ちゃんが誕生してからは東京での生活環境を窮屈に感じるように。そこで「子どもを自然豊かな場所でのびのびと育ててあげたい」との思いから都城に移住しました。移住後は夢だった格闘技スタジオを開業。豊かな人格を育む格闘技の魅力を伝えることで街に貢献したい!と精力的に活動しています。
- 朝倉 隼(はやと)さん(40歳) 藍さん(34歳) 藤さん(3歳)
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- 先輩歴|2024年に移住
- 職業|隼さん: 「格闘技スタジオ SRS」主催・柔道整復師・元全米認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト 藍さん:医療事務職

東京時代。「東京では家族で出かけるのは電車が基本。人が多い電車にベビーカーで出かけるのは大変でした」と隼さん。
小学4年生の頃から高校まで柔道を続けてきた隼さん。腰を痛めてしまったため、早稲田大学進学後は応援部に所属。卒業後は働きながらパワーリフティングを趣味にしていましたが、オリンピックでの柔道選手の活躍を目にし「もう一度柔道に挑戦したい!」と思うように。技を極めるためにブラジリアン柔術を学んだことを機に総合格闘技にも興味を持ち、新たな道を歩きはじめました。ある日、打撃の技術も深めようと通い始めたボクシングジムで藍さんと出会い、交際期間を経て結婚。しかし、2022年に藤ちゃんが誕生すると、東京での子育てや環境にストレスを感じるようになりました。「私も妻も田舎育ちだったので、自分たちが育ったようにもっと広い自然の中でゆったりと子どもを育てたいと思いました」。こうして2024年、藍さんの実家のある都城に移住しました。
Q 隼さんの出身地・神奈川ではなく、移住先を都城に選んだ理由は?
私の出身地は神奈川の中でもかなり田舎なんです。病院や学校など、生活に必要な環境を比較した時、妻の出身地である都城の方がコンパクトな街の中に各施設が整っていて住みやすいと思いました。また、子育て支援が充実していて、全国屈指の移住サポートが行われていたことも都城に移住を決めた理由です。移住相談では、市の職員さんからたくさんアドバイスをいただきました。移住応援給付金があったから起業に踏み切れましたし、引越しの割引制度(※)も活用させてもらい、大変助かりました。(隼さん)。
※ 宮崎県の「宮崎ひなた移住倶楽部」の特典

東京で暮らしていた頃は隣人の顔も知らない生活だったという朝倉夫妻。都城ではご近所づきあいも始まった。「家庭をもって、近所とのつながりのありがたさを実感しています」。

スポーツ大好きな藍さんはフルマラソンも完走。キックボクシングにも挑戦している
Q 家や仕事はどうやって探しましたか?
実家の隣に祖父母が住んでいた家があったんですが、移住を考え始めた頃、その家を他の方に貸していたので自分たちで探すつもりでした。しかし、タイミングよく退去されることになったので、リフォームして暮らしています。実家とはまさに“味噌汁が全然冷めない距離(笑)”。両親も喜んでくれています(藍さん)。
移住前、人材派遣の仕事に携わっていましたが、リモートワークだったので移住に支障はありませんでした。しかし、いつかは自分のジムを持ちたいという夢があったので移住後すぐに退職し、起業に向けて動き出しました。まずはマーケティングの本をたくさん読み、都城で格闘技がビジネスとして成り立つのか、人口データ等と合わせて検証を重ねました。2024年に「格闘技スタジオ SRS」を開いてからもネットワークを広げるためにレスリングや柔道の道場、ジムなど思いつく場所すべてに顔を出して少しずつ人脈を広げました。人から人へと生徒さんを紹介してもらい、現在は40名ほどを教えています(隼さん)

藍さんのお母様・章子さんと一緒に。手前が藍さんの実家、奥がリフォームした朝倉家
Q 移住前に不安に思っていたことは?
公共交通機関でどこにでも行ける東京での便利な暮らしを手放すことは不安でしたが、交通手段が車に変わっただけで、都城には質の高い病院や学校、図書館など、必要なものは全部揃っていました。
娘の教育環境も気になりましたが、市役所の職員さんが市内の幼稚園・保育所の情報を提供してくれました。現在、娘は英語教育に力を入れているイングリッシュ幼児園に通っています。
神奈川で暮らす父は「藤ちゃんと会えなくなるのは寂しい」と言っていました。孫のためなら何でもしてくれる父と遠く離れることに申し訳なさもありましたが、移住後、もともと出不精だった父が都城に年に2回も来るようになったのです。今のところ私たちが神奈川に行くのが年1回で、父が来るのが年2回。父が都城に来てくれると4〜5日は滞在してくれるので、東京暮らしの時よりむしろ会う時間は増えています。父は都城での生活を目にし「東京より都城での暮らしのほうが家族にとっていい選択だった」と実感してくれているようです(隼さん)。

自宅のウッドデッキにて。「同じ敷地内に両親がいて、子育ての知恵も教えてもらえるのは助かりますね」と藍さん

自宅近くの公園にて。「移住してから娘がよく「公園に行こう!」「散歩に行こう!」と言うようになりました。公園も多いし、雨の日でも子どもが遊べる施設が市内に充実していることは嬉しいですね」
Q 都城に移住して良かった点は?
“子育てに追われる”から“子育てを楽しめる”に変わったことでしょうか。公園も広くて、遊具もたくさんあるので娘が飽きずに遊ぶんです。近くの公園をひとり占めという贅沢な使い方も東京じゃ考えられません。広々とした公園の中を娘が元気に走り回る姿を見ると、移住して本当に良かったと思わずにいられません。
生活環境についても満員電車や人混みが当たり前というストレスフルな状況から解放され、人間らしい暮らしができるようになったと思います(隼さん)
東京は刺激もたくさんあって大好きな街です。でも、空も狭いし、どこを見ても仕事をしている人が目に入ってくるので、自分もじっとしていてはいけない!暇な時間をつくってはいけないんじゃないかと勝手に思い込んでいました。都城に帰ってきてからは心にゆとりができて、余裕のある時間があってもいいんだと思えるようになりました。大きなテーマパークなどはありませんが、ここには大きな空や美しい山々など、テーマパークにはない本物の美しい自然があり、優しい大人たちがたくさんいる。そんな環境の中で子どもを育てられることを幸せに感じています(藍さん)
Q これからの目標を教えてください。
もっともっと都城で格闘技を広げていきたいですね。格闘技は努力が直接結果につながり、リングの中では性別や人種に関係なく一対一で向かい合える。そこは世界で最も公平な場所です。純粋に強さを求め、技をぶつけ合い、命を削るような戦いが繰り広げられる…、その一瞬一瞬はまさに芸術です。
また、格闘技は相手がいなければ練習すらできないスポーツなので、相手への感謝の気持ちが自然と生まれるんです。私は子どもたちにも「相手がいるからこそ成長できる」ということを繰り返し伝えています。
格闘技は単なる競技ではなく、精神性を育める場。強さだけでなく、礼儀や敬意も学ぶことができるのです。子どもたちにとって、このスタジオが単なる運動の場ではなく、心の拠り所となる“サードプレイス”になれるよう努めたい。格闘技を通して人としての成長を促していくことで地域社会に貢献していきたいと考えています(隼さん)。

今年2月、日南総合運動公園で開催された大会「宮崎フリーファイト」に「格闘技スタジオSRS」の選手たちも出場した
Editor’s note!
理想の子育てを求めて都城に移住した朝倉さん一家。移住応援給付金を活用し、起業に踏み切った隼さん、ご両親のサポートを受けながら心にゆとりをもって子育てができるようになった藍さん、娘が家族と一緒に帰郷し、孫との時間を楽しめるようになったご両親…、家族全員が幸せになれる移住となった様子です。豊かな自然の中でたくさん遊べる藤ちゃんが一番その幸せを感じているかもしれません。藤ちゃんにとって都城が素敵なふるさとになりますように!