移住して体感した農業王国の底力。知見が広がる充実の日々!
海外出張が多い生活の中で、“食”に興味を持つようになった庄 賢一郎さん。「農業に携わりたい」との思いで、都城市に本社を構える「ベジエイト株式会社」へ転職。新たな農業の世界を切り拓くべく、挑戦の日々を送っています。
- 庄 賢一郎さん(42歳)
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- 先輩歴|2022年8月移住
- 職業|会社員
海外生活で感じた食への不信感から
農業に興味を持つように
海洋土木関係の仕事に携わっていた頃、シンガポールを拠点にタイやベトナム、インドネシア、マレーシアなど東南アジア各地に長期海外出張していました。長期出張の後、自宅に戻ったら、冷蔵庫に入っていたレタスが昨日買ってきたかのように新鮮なまま!「ありえない!一体自分は何を食べていたんだ?」と感じて食に興味を持つようになりました。帰国後はJAやNPOなどが開催する研修などに参加して、農業を学んでいましたが「もっと踏み込んでやってみたい」と思うように。そんな頃、都城市にある「ベジエイト株式会社」に出会って「ここで働きたい!」と移住を決めました。
Q 移住までの経緯を教えてください。
4〜5年前くらいから、どうしたらもっと農業に携わることができるかを考えて始めました。会社員をしながらの農業や専業就農など、様々な選択肢を検討しましたが、いろんな人に話を聞くうちに〈これから農業は大規模化・グループ化していく〉と感じ、農業生産法人に転職することにしました。
「ベジエイト」を知ったのは知人のアドバイスとインターネットから。宮崎県が東京で開催した「就農イベント」に参加して会社に繋いでもらい、二度ほど視察に行きました。それまで都城には一度も行ったことがなかったのですが、当時暮らしていた横浜とはまったく違う、のんびりとした空気感と霧島連山の美しさが印象的でした。
自宅付近の風景
屋外での積み込み業務
視察に行ってみると自由で活気ある社風が伝わってきました。「ベジエイト」は総合商社ならぬ総合“農”社を目指し〈農業に関わることならすべて手掛けていく〉という理念を掲げていて「ここなら今までの経験も活かしつつ、新しい農業の可能性を拓いていくことにチャレンジできるのではないか」と直感!自分はもともと“石橋を叩いて渡る”タイプなのですが、時間をかけて転職や移住について考えたので、あとは自分の感性を信じて“やってみるか!”と比較的軽い気持ちでしたね。
オフィス業務
Q 移住にあたり、都城市の支援制度は利用しましたか?
市の「移住・定住サポートセンター」に聞いて、視察の際に宿泊費やレンタカー代などを補助してくれる「お試し滞在制度」や給付金制度を利用しました。いただいたお金は引っ越しや住居費に使わせてもらいましたが、手厚い制度で助かりました。家は会社が市街地の住居を紹介してくれましたが、せっかく都城で暮らすなら市街地より、少し離れた自然豊かなところがいいと思ったので、自分で畑付きの戸建てをネットで見つけました。
自宅の畑のトマト
自宅の畑のにんにく
自宅の畑のブルーベリー
趣味のサーフィン
Q 移住してよかったと思うことは?
サーフィンや登山など、自然の中で遊ぶのが好きな自分にとって、都城の自然環境は最高です。また、どこに行くにも便利な立地なので、都城は南九州を楽しむのに最高の拠点になります。例えば、宮崎の海まで40分ほどで行けるので(しかも渋滞なしで!)、サーフィンも気軽に楽しめますよ。海もきれいで、人も多くないので失敗を恐れずに何度でも好きなだけ波に乗れるんです。
また、都城市はとにかく食べ物が美味しい!美味し過ぎて、移住して8キロくらい太ってしまいました(笑)。ストレスを感じないからなのか、お酒の量も減ったような…。家の畑で採れた野菜を使ってよく料理もします。土壌がいいのか野菜の味が濃くて美味しいですよ!
自宅の畑で取れた食材でパン作り
自宅の畑で取れた食材でピザ
Q 都城市の街や人には馴染めましたか?
海洋土木の仕事の現場は大自然の中でしたし、趣味が“自然と遊ぶこと”なので、都城の環境にはすぐに馴染めました。驚いたのは、人々の農業に対する知見の深さ。さすが都城は農業王国!農業人口も多く、幅広い知識や経験が蓄積されていて、話を聞くと刺激を受けます。「ベジエイト」にも魅力的な社員がたくさんいますし、会社以外でも農業関係の人たちと知り合う機会があって、今までの自分の農業への考え方がさらに広がりました。今、新しく知り合った人たちとプライベートの時間を使った新しい取り組みを計画中です。
Editor’s note!
「ベジエイトという会社で働きたい!」という“仕事ありき”の移住をした庄さん。目的が明確だった分「そのほかのことは行ってみてから考えていけばいいんじゃないか」といった軽やかさで都城ライフをスタートしました。その行動力からは“石橋を叩いて渡るタイプ”というご自身の分析が嘘のように思えますが、いろいろ思い悩んだ末に “直感“を信じてアクションを起こすというのは正解なのかもしれません。実際に庄さんは農業の仕事に従事しながら休日も全力で遊び、理想の暮らしを手に入れています。「リサーチしていたらキリがない。住みながら知っていく方が楽しいですよ。すべての退路を断って移住するんだ!と気構えず、暮らしを通してその土地に合うか時間をかけて考えていけばいい」。肩に力を入れすぎず、目の前のことを楽しむ庄さんの言葉が印象的でした。